文献紹介4(事務局 田村)2023/12/12
LyLIE研究の高齢者機能評価スクリーニングツールであるG8を最初にがん領域で評価した論文を紹介します。
G8は欧米、とくに欧州では高齢がん患者で利用されています。また高齢がん患者が対象の臨床試験においてはG8の実施が勧められています。これ以降G8に関する論文がたくさん出ていて、その有用性については検証されています。この他にスクリーニングツールとしてVES-13が有名です。G8とVES-13を比較した研究結果も出ています。これから、高齢がん患者が多く含まれた臨床試験を実施する際は、これらのツールを使って機能評価を行い、安全で有効な治療法の確立につとめることが必要と考えます。
(紹介する論文)
Bellera CA, Rainfray M, Mathoulin-pélissier S, et al. Screening older cancer patients: first evaluation of the G-8 geriatric screening tool. Ann Oncol 2012; 23(8): 2166–2172
70歳以上の364例のがん患者を対象にG8(栄養評価ツールMNAの7項目と年齢)の評価をreferenceとして7つの総合機能評価ツール【Activities Daily Living (ADL), Instrumental ADL, MNA, Mini–Mental State Exam, Geriatric Depression Scale, Cumulative Illness Rating Scale-Geriatrics, and Timed Get Up and Go】が使われた。
G8(17点が満点)が機能評価のスクリーニングツールとして利用された際、cut offを14点に設定するとsensitivity 85%、specificity 65%で総合機能評価を反映できることを示した。