<挨拶>
2023年7月6日
SARS-CoV-2 パンデミックが下火になり、あらゆる領域で活動が戻りつつあります。ただ、これからも小さな、時に大きな感染拡大の波がみれられると思います。標準感染予防策をとりながら、日常生活、研究・教育・診療に邁進ください。
さて、2018年より厚生労働省科学研究(厚労科研) がん対策推進総合研究事業の支援を得て推進してまいりました「高齢者がん診療指針策定に必要な基盤整備に関する研究」(研究代表 田村和夫、2018年~2020年度)「高齢者がん診療ガイドライン策定とその普及のための研究」(研究代表 佐伯俊昭、2021年~2022年度)が2023年3月31日をもって終了しました。この5年間の研究により目的としていた高齢者がん診療ガイドライン、その学問的な基盤となる老年腫瘍学のテキストブックを作成・公表することができました。
これら、ガイドラインやテキストブックの作成にあたりましては、多くの多職種・多診療科の医療者、患者団体の代表者の積極的な参加・協力があって初めて可能となりました。ただその多くは本研究に参加するまで高齢者のがん医療に深くかかわってこられたわけではありません。本研究を通して老年腫瘍学とその臨床に関わることによりこの領域に精通するようになってこられたのではないかと思います。今後ともガイドラインの普及と実践、また、テキストブックととも合わせて改訂が必要です。関係者の方々へ深謝するとともに継続したさらなる支援をお願いいたします。
高齢者のがんを考える会は、これまで上記2研究の情報発信の場を提供してきました。今後とも高齢者のがん医療の研究、診療、教育のホームグラウンドとして議論の場、有用な情報の提供をしていきたいと思います。
これからも高齢がん患者は増え続けます。その診療ガイドラインは、少ないエビデンスから提案されたものであり、適正な医療を提供するには多くの課題が残されています。その解決に向けて本会が少しでも貢献できるよう活動してまいります。
最後に社員についてです。連絡の取れない方が複数おられるようです。調査しまして社員リストをアップデートしたいと思っていますので、ご協力をお願いします。また、これを機会にあらたな参加者を募ります。ホームページにあります申し込みページに記入のうえ送付ください。社員のみなさまと一緒により充実した活動をしてまいりますのでよろしくご協力をお願いします。
高齢者のがんを考える会
代表 田村和夫